こんにちは、FPのゆたかです。
本日のメルマガは僕が投資詐欺に遭った時のお話になります。
とあるデータによると、5人に1人が詐欺に遭ったことのあるらしいです。
僕自身も自分が詐欺に遭う前は「詐欺に遭うなんてバカだ。絶対に自分は詐欺になんて遭わない」と思っていましたが、まんまとやられてしまいました。
このコラムを読んだ人には同じ目にあってほしくないので、今日はそんな話を赤裸々にしていこうと思う。
時は10年前までさかのぼります。
当時の僕は23歳で社会人一年目。投資の経験や知識はほとんどなく、少しばかりの貯金で日本株を買っては売ってを繰り返していました。
そんな時、携帯に一本の電話が鳴ります。
大学の部活の先輩からでした。
ゆ「はい、もしもし」
先「お、ゆたかか?元気してる?」
ゆ「まぁ、なんとか」
先「大学の時に可愛がっていたお前に、ぜひ合わせたい人がいる。今週末〇〇ホテルまで来れる?」
ゆ「その日なら予定がないので大丈夫です。」
先「じゃあ、〇〇ホテルにあるカフェに11時集合で」
こんな感じのやりとりをしたのを今でもうっすらと覚えています。
その先輩には本当にお世話になっていたし、当時の僕には「詐欺」なんて思いは1ミリもありませんでした。
何も考えることなくホテルのカフェに行くと、そこには先輩と知らない男性がいました。
10~20分くらいたわいもない話をしながら、徐々に投資の話になっていきました。
その話の中身は「月に10%の利息が付く」美味しい投資の話があるというものです。
僕自身、投資をしていたこともあり、月に10%の利息が付くという話はとても美味しく思えました。その時は「怪しい」なんて考えには全然及ばず、今思えば、信頼している先輩のいうことだから間違いないというバイアスがかかっていたのかもしれませんし、それよりも今目の前にある美味しい話が「ウソであってほしくない」と、思い込みたかったのかもしれません。
先輩に「いくら出せる?」と聞かれたので「100万円なら」と即答しました。
でもさすがにどんな投資なのか中身を知らずに出資するわけにはいかないので、先輩に内容を聞いたところ。
「コイツが海外で金を採掘する会社の社長の息子なんだ」と隣の男性を紹介してくれた。
「海外で採れた金を日本に運べば数億円の利益が出ることが分かっている。その輸送費を出資してくれる投資家を探していて、オレに声をかけてくれたんだ。その出資金の一部を大学の時に可愛がっていたお前にも分けてやりたくて電話したってわけ。ほかのやつには絶対に言わないでくれよ。」
続けざまに、隣の男性が会社のホームページを見せてくれた。
立派なホームページで疑う余地もなかった。
・信頼する大学の先輩
・美味しい利回り
・納得感のある投資内容
・立派な会社のホームページ
僕が出資を断る理由はどこにもなかった。
逆に100万円しか出せないことに「もったいなさ」を感じていたほどだった。
その場で別れてすぐに100万円を銀行で引き出し、その日のうちに先輩に手渡しした。
一週間後に先輩から連絡があり「思ったよりも早く船を日本に出すことができて、あいつから投資のリターンをもらうことができた。すぐに渡したいから会えるか?」と言われたので、その日に以前のホテルのカフェで会うことに。
すぐに1枚の封筒を渡され、中身を見ると10万円が入っていた。
月に10万円の約束だったけど、たった一週間で僕の100万円は10%の利息を付けて10万円になって返ってきた。
当時の僕には衝撃的な出来事だったし「この先輩に出会えて本当に良かった」と心の底から喜んだ。
「あいつから新しい案件の話をもらっている。もし追加で出資できるなら来月はさらに20%の利息が付くけど、どうする?」
断る理由がなかった。
ちょうどボーナスが入ったこともあり50万円の貯金があったから、すべてを先輩に預けることにした。
2週間後には、僕の150万円の出資金は30万円になって返ってきた。
たった3週間で僕は40万円もお金を増やすことができた。
「これが投資か!」と心が震えたのを今でも覚えているし、働いていることがなんだか馬鹿らしく感じた。
「もっとお金を預けたい!」
僕は自分から先輩に増資を提案するくらい我を失っていた。
「ちょうどいい案件がある。一口250万円だからもう100万円出資してくれたら30%の利息がつけられる」
250万円×30%=75万円。
凄すぎる。
100万円を出資する余裕のなかった僕は「仕事で必要な資格をとったり、スクールに入るためのお金」とウソをつき親に借金をして100万円を準備した。
準備できた100万円をすぐに先輩に手渡しした。
これで合計250万円を先輩に預けたことになる。
毎月30%の利息が付けば75万円の不労所得。会社もやめられるとウキウキ、ワクワクしていたのを今でも覚えています。
そしてこの250万円が75万円になって返ってくることに、、、
は、ならなかった。
これが『ポンジスキーム』
1910年代から続く伝統的な詐欺手法です。
100年経ってもなお被害者が減らない恐ろしい手法になります。
それっぽい話をしてお金を預けてもらい、最初は本当に約束通りの利息を付けてくれる。
でもこのお金は自分の預けたお金の一部。
人は一度おいしい思いをすると元には戻れないもので、もっと利息を付けてもらおうと大きなお金を出資したくなる。
最後の最後に大きなお金を預けたところで相手はトンズラする。
お金が返ってくることはおろか、相手と連絡すら取れなくなります。
当時は悔しくて悔しくて、眠れない日々が続いたし、人知れず涙したこともあった。
だけど、お金が返ってくることはないし諦めるしかないのが現状。
この投資詐欺から学んだこと
- 世の中においしい話はない
- 投資のリターンは年利5%はホント
- お金を増やすなら堅実な方法が一番
そこから10年。今ではNISAやiDeCoを中心とした堅実な投資で着実に資産を2800万円まで増やすことができた。
今思えば250万円の被害で済んでよかった。
いまあの詐欺にあっていたら1000万円くらい取られてかもしれない。
このコラムを読んでくださっている方々へ
- 大切なお金を簡単に失わないで
- 世の中においしい話はない
あったとしても自分のところに回ってくることは100%ない。
少しでも多くの人が同じ被害に遭わないようにと思い、メルマガで配信しました。
参考になりましたら幸いです。