こんにちは、FPのゆたかです。
今日のメルマガでは『年末調整』について配信していきます。
先月、河野太郎さんが「年末調整を廃止して、国民全員が確定申告をする方針に変えたい」と発言して話題になりました。河野太郎さんはデジタル大臣でもあり、あらゆる業務をマイナンバーを使って電子化していきたいという野望があります。その一つとして年末調整を廃止があります。
ところでみなさん年末調整はしていますか?
年末調整と聞くと
「めんどくさい」
「よくわからない」
「いわれるがままやってます」
そんなことが頭によぎる人も多いのではないでしょうか?
僕も会社に勤め始めた時は経理の人にいわれるがまま入力し押印し「これってなんの意味があるんだろう?」と思っていました。
では、年末調整とは何なんでしょうか?
一言で言うと「税金の精算」です。
もっとわかりやすく言うと「税金を取り戻す行為」になります。
年末調整の説明をするなら切っても切れないのが「源泉徴収」についてです。
みなさんの所得税は「源泉徴収」されているんです。
源泉徴収=先取り
になります。
会社員や公務員の人は、毎月の給料から所得税が先取りされているんです。
しかもこの先取りがやっかいで”少し多めに”先取りされています。
なぜ少し多めに先取りされているかというと、国がとりっぱぐれないようにするためです。
この所得税の先取り制度のことを源泉徴収と言います。
ここまでの話を聞くと
「おいおい、多めに先取りするとはどういうことか?その多めに取った分は後から返してくれるんだろうな?!」
と思いますよね?
そう、この多めに取ってしまった分を正しくお返し(精算)するのが年末調整になります。
つまり「年末」に正しい所得税を計算して「調整」することを「年末調整」と言います。
これからは年末調整を「所得税年末調整作業」と覚えておきましょう。
漢字が続いてもっとややこしくなってしまった方はすみません(笑)
河野さんはこの年末調整を廃止して確定申告をさせたいわけですね。ただ源泉徴収はやめないようなので会社員や公務員の人は確定申告で取られすぎた税金を取り返すことになりそうです。
では、年末調整で具体的にどうやって所得税を精算しているのか?
それはみなさんが1年間で稼いだ収入から”控除”を差し引くことで正しい所得税額を計算し、取りすぎていた分を12月の給与でお返ししていることになります。
だからみなさんは年末調整で正しく”控除”を申告する必要があります。
- 配偶者がいるかどうか
- 扶養している親族がいるかどうか
- 生命保険に加入しているか
- iDeCoを利用しているか
- 住宅ローン残高はいくらあるか(2年目以降)
- 地震保険に加入しているか
- 社会保険料はいくら払ったか
などなど、年末調整では10個以上の控除を正しく申告する必要があります。
この控除を正しく申告しないとあなたから先取りされた税金は返ってきません。さらには来年に徴収される住民税も多くなることになります。
12月はなんだか手取りが多いなと思っている人は、年末調整によって源泉徴収されていた所得税が返っているからでしょう。
「年末調整ってめんどくせぇ」
って思い、適当にやっちゃってると本来取り返せていた所得税が返ってこずに損することもあるので気を付けましょう。
これこそ国の思惑どおりです。そもそも国がなぜ「源泉徴収⇒年末調整」を採用しているかというと、先ほども言ったように税金をとりっぱぐれないようにです。なんなら少し多めにとってやろうと考えているくらいなんです。
年末調整について100%理解しておく必要はありません。しかし、「自分が申告できる控除」については100%正しく把握し正しく申告するようにしましょう。
そうすることで所得税と住民税を減らすことができます。
そもそも所得税ってどうやって計算されているか、収入と控除の関係などこのあたりについてもこれから先のメルマガで配信していくつもりですので少しお待ちください。
早い会社だと11月頃には年末調整が始まるところもあります。
それまでに自分が申告できる控除について理解を深め、正しく申告するようにしてください。
あなたは本来であれば納める必要のない税金を先取りされている状態です。
それを最後の1円までしっかり取り返すために年末調整は大切な作業になります。
このことを肝に免じて今年から年末調整に臨んでいただけますと幸いです。
では、また次回のメルマガでお会いしましょう。