不要な保険は損切りした方が良いの?
損切りする基準が知りたい
できれば損切りしたくないのですが
こんな疑問や悩みに答えます。
- 保険の損切りについて
- 損切りする基準と根拠
- 実際に損切りしたときの計算方法
- シミュレーション方法
- 保険の相談窓口の紹介
保険を継続して契約した場合と損切り解約した場合をシミュレーションして、満期時での受け取り予想金額が多い方を選択する。
この記事の筆者は「マネーライフプランナー」と「投資診断士」、「ファイナンシャルプランナー」の資格をもっています。人生100年時代を賢く生き抜くための知識をはじめ、投資や資産運用について幅広い知識をもっています。 また、生命保険と個人年金保険を損切りした経験があり、その根拠をこの記事で詳しく解説していきます。
つみたてNISAやiDeCoで投資をはじめるひとが多くなってくるとともに「終身保険でのつみたてや個人年金保険でのつみたてよりも投資で増やした方がいいのではないか」という議論をよく耳にするようになりました。
ぼく自身そういった議論を耳にしながら1~2年は聞き流していた部分もあったのですが2020年に家計を抜本的に見直す機会があり自分が契約している民間保険についても真剣に考えてみました。
- 生命保険を同じ保障額の掛け捨てにかえる
- 個人年金保険を解約する
- 浮いた保険料を投資に回す
この結論に至った理由はこちらのほうが将来にわたり資産が増える計算になったからです。
この記事ではぼくが7年間つみたてた終身生命保険と個人年金保険を損切り解約したはなしを詳しく解説しています。
※この記事の内容はあくまでぼく自身の経験をお伝えし参考にしていただくことを前提としています。意見や考えをおしつけたりするものではありません。
保険を損切りする基準
①保険を継続して契約した場合
②損切りした場合
①と②を比較し満期時にどちらがより多くのお金を受けとることができるかシミュレーションする。②のほうが多い計算になったら保険を損切り解約する。
- 終身や養老など貯蓄型の保険
- 個人年金保険
いわゆる掛け捨てタイプではなく保険料をつみたてていく貯蓄型の保険が損切りの対象となる保険です。貯蓄型の保険を掛け捨てタイプに変えることで保険料が安くなり、安くなった分を自分でiDeCoやつみたてNISAなどで運用していく場合をシミュレーションします。
ぼくはこの基準にのっとり、終身タイプの生命保険を損切り解約し掛け捨てタイプに変え、個人年金保険も損切り解約し、浮いたお金をiDeCoやつみたてNISAで運用していくことに決めました。そちらの方が損切りするとはいえ将来にかけてはより多くのお金を受けとれる計算になったからです。
貯蓄型の保険を掛け捨てタイプに変更し、保険料の差額をiDeCoやつみたてNISAで運用する。
加入していた保険の紹介
- ソニー生命保険の変額保険(終身型)
- 第一生命保険の個人年金保険
ソニー生命保険の変額保険(終身型)は終身タイプの生命保険でつみたてたお金をソニー生命が運用し(運用先は自分で選択できる)運用実績によって解約返戻金が変わるというものです。
解約返戻金の金額に関係なく死亡時の保証は一生涯つづき運用実績が悪くても死亡保障額に変化はありません。
- 変額保険
- 死亡時750万円の死亡保障(終身)
- 払込期間は契約年から15年間
- 月々の保険料19.740円
- 解約返戻金は変額保険につき運用実績による
第一生命保険の個人年金保険は、月々決まった金額を積み立てていくことで60歳になったとき払われる保険金額(一括か分割か選択可能)が支払った金額より多くもらえるというものです。
ぼくが加入した時期で支払い額に対して60歳になった時に受けとれるお金は約107%くらいでした。
個人年金保険は節税にもなりますので貯金しているよりはお得と思って加入されている人も多いのではないかと思います。ぼくもその考え方で社会人1年目(2014年)に加入しました。
- 月々の保険料1万円
- 払込期間60歳までの38年間
- 払込総額は1万円×12か月×38年=456万円
- 満期時うけとり金額は約488万円
どちらの保険も保険料をつみたてていく貯蓄型の保険といえます。
損切りをした根拠
そのまま2つの保険を契約し続けるよりも損切り解約して自分でつみたてNISAやiDeCoで投資した方が将来受け取れるお金が多くなる計算になったから。
1,保険の契約を継続したときの「見込み利益①」を計算
- 2つの保険の払込総額を計算する
- 2つの保険の保険料控除を計算する
- 60歳の時に受けとれる金額を計算する
『(②+③)-①』で「見込み利益①」を計算する
2,保険を解約したときの「見込み利益②」を計算
- 2020年現在の2つの保険の解約返戻金を確認
- ソニー生命保険と同じ保障の生命保険(掛け捨て)に加入したときの保険料を計算する。
- 損切り総額を計算
- 2020年からの30年間で解約返戻金全額と保険料の差額を自分で投資運用したときの期待額を計算
『④-(②+③)』で「見込み利益②」を計算
「見込み利益①」<「見込み利益②」なら2つの保険商品を解約する
見込み利益①:116万5.800円
見込み利益②:約581万7.200円
「見込み利益②」の方が大きくなったので2つの保険を損切り解約することにしました。
※あくまで今現在におけるシミュレーション結果であり、将来必ず同じ結果になることを保証するわけではない。
シミュレーションの詳細
具体的なシミュレーションの詳細について解説します。
ソニー生命保険について
- 変額保険
- 死亡時750万円の死亡保障(終身)
- 払込期間は契約年から15年間
- 月々の保険料19.740円
- 総払込額は19.740円×12か月×15年=355万3.200円
- 解約返戻金は変額保険につき運用実績による
払込総額は165万8.160円
(19.740円×12か月×7年)
解約返戻金は118万9.360円
解約することで、46万8.800円の損切り
ちなみにこの変額保険の運用実績は2014年から2020年までの7年間で年利約7%。
自分で投資運用(月々19.740円の積立投資)し年利約7%であれば税引き後の利息で約37万円あります。
損切りした分との差額を考えると84万円ほど多くの資産を逃したことになります。。。泣
60歳で受け取れるお金(期待額)は約500万円。2014年から2020年までは年利約7%で運用できていましたが2021年からは年利5%で運用できると仮定しています。
個人年金保険について
- 月々の保険料1万円
- 払込期間60歳までの38年間
- 払込総額は1万円×12か月×38年=456万円
- 満期時うけとり金額は約488万円
払込総額は84万円
(1万円×12か月×7年)
解約返戻金は59万円
解約することで、25万円の損切り
保険料控除について
一般の生命保険や個人年金保険に加入していると年末調整や確定申告ですることで所得控除になり節税ができます。節税額分は満期時に受けとれる保険金に合算する。
- 2014年から2020年まで7年間で約5万円(所得税と住民税)
- 2020年から2027年まで8年間で約8万6.000円(所得税と住民)
※2020年から2027年は年収が推定となるため見込額となる
- 2014年から2020年まで7年間で約5万円(所得税と住民税)
- 60歳までの31年間で約33万5.000円(所得税と住民税)
※2020年から60歳になる年までは年収が推定となるため見込額となる
保険を解約すれば保険料控除が受けられなくなり税金の自己負担が増える。
新たに加入する掛け捨て保険について
ソニー生命の生命保険を解約するにあたり新たに加入した生命保険は楽天生命のスーパー定期保険(掛け捨て)、死亡保障は1.000万円です。
1年ごとに自動更新されるタイプで月々の保険料は以下のとおりです。
年齢 | 保険料 |
30~34歳 | 980円 |
35~39歳 | 1220円 |
40~44歳 | 1770円 |
45~49歳 | 2630円 |
ぼくが49歳の時こどもが成人しますのでその時には生命保険の見直しを考えていますので49歳までこの保険を契約していることとします。
この保険を新たに契約することで49歳までの保険料の支払総額は39万6.000円です。
この保険を新たに契約することで控除される生命保険料控除総額は約4万7.000円です。
※保険料の支払総額から保険料控除を引いた額を便宜上の保険料の支払総額とします。
39万6.000円-4万7.000円=34万9.000円を保険料支払総額とします。
計算結果をまとめる
- ソニー生命保険について
- 個人年金保険について
- 保険料控除について
- 新たに加入する掛け捨て保険について
以上、4つのリストで計算された数字を総合することで
- 2つの保険を持ち続けたときの利益「見込み利益①」
- 2つの保険を損切り解約し自分で投資したときの利益「見込み利益②」
どちらの数字が大きいかで保険の解約と継続の判断をします。
「見込み利益①」=116万5.800円
「見込み利益②」=約581万7.200円
①<②となりましたので2つの保険商品を損切り解約
以下、「見込み利益①」と「見込み利益②」の計算方法です。
2つの保険を持ち続けた場合
- 2つの保険の払込総額は811万3.200円
- 2つの保険料控除総額は52万1.000円
- 2つの保険の60歳時の受取金総額は988万円
『(②+③)-①』=116万5.800円(見込み利益①)
2つの保険を損切り解約し自分で投資した場合
- 2020年現在の2つの保険商品の解約返戻金は177万9.360円
- 楽天生命に加入した場合の保険料は34万9.000円。
- 損切り総額は71万8.800円
- 2020年からの30年間で解約返戻金全額とこれから積み立てていくはずだった保険料を自分で投資したときの期待額を計算する。
- 解約返戻金全額を60歳までの30年間で年利5%で運用したときの利益は約320万円(税引き後)
- これから積み立てていくはずだった保険料を年利5%で運用したときの利益は約368万5.000円(税引き後)
①+②=約688万5.000円
『④-(②+③)』=約581万7.200円(見込み利益②)
自分では判断できない
今の保険を損切りしてまで解約した方が良いのか、そのまま契約を継続した方がいいのか判断に迷ったらプロに相談してみるのもありです。
保険の見直しは大きな節約にもなりますので、一度この機会に見直ししてみるのも良いかもしれません。
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保険の損切り解約をした経験&FP(ファイナンシャルプランナー)・投資診断士として、お客様に最適なご提案をさせていただきます。商品の押し売りは決していたしません。
まとめ
- ソニー生命保険の変額保険(終身型)
- 第一生命保険の個人年金保険
2つの保険を持ち続けたときの「見込み利益①」は約116万5.800円
2つの保険を損切り解約し自分で投資したときの「見込み利益②」は約581万7.200円
①<②となったので2つの保険を損切り解約しました。
もちろん今回の例は今現在でのシミュレーション結果から計算されたもので、かならずこの結果になるものではありません。
しかし、自分でつみたてNISAやiDeCoで積み立て投資をすることで貯蓄型の保険より将来受け取れるお金がより多くなる可能性は十分にあると思っています。